海外に行くときに、事前に準備しなければいけないのが現地通貨。アメリカはクレジットカード社会なので、都市部であればカフェに行ってコーヒーを1杯を買うのもクレジットカードを使うことができ、実際クレジットカードで支払う人も多いです。現金をあまり持ちあわせていなくても済んでしまうことが多いんですね。

ただし、アメリカで日本のクレジットカードを使うと、ドルを円貨に換算するといったプロセスが発生するため、為替手数料と利用手数料がかかります。カード会社によって、すべてひとくくりにして「為替手数料」とか「海外事務手数料」と呼ぶこともあります。レジで決済するたびに発生してしまうこれらの手数料は、できれば抑えたいところ。現金であれば、現金購入のときに発生する手数料だけで済みますが、現金をたくさん持ち歩いて旅に出るのは危険でもあります。

そんなわけで、今回はクレジットカードの代わりにもできる、アメリカで旅行するときに便利な「デビット機能付きキャッシュカード(デビットカード)」について調べてみました!

クレジットカードとデビットカードの違い

クレジットカード

card shopping

支払ったときにその場で銀行口座から引き落とされずに、翌月に支払いをすることができます。ポイントやマイレージが貯まるので、利子のつかない一回払いならお得感があります。分割払いという選択肢もありますが、利子が何パーセントかつくので、使いすぎは負のサイクルに追われてしまうので危険。

デビットカード

クレジットカードと同じように使えますが、カードを使用すると自分の銀行口座から使った金額が同時に引き落とされます。口座の残高が使用限度になるので、残高より大きなものは買い物できません。また会計のときに、レジで暗証番号の入力が必要なときがあります。

デビットカードの利点

  • 銀行の残高が最大利用限度額になるので使い過ぎがない
  • 使えるお金は口座に入っている資金だけなので管理しやすい
  • 海外で利用する場合、外貨預金口座に紐づいているデビットカードを使えば為替手数料は発生しない

利点を活用するために

デビット付きキャッシュカードを海外で使うならば、まず外貨預金口座を開設し、外貨を入金しておく。そうすると、クレジットカードだと毎回発生してしまう「為替手数料」を省くことができます。

海外で使えるシチュエーションは2つ

  • 店舗でクレジットカードのように使う
  • ATMで現金を引き出してキャッシュカードのように使う

いずれの場合も4ケタの暗唱番号(PIN number)が必要なので、忘れずに覚えておきます。これはデビットカード申し込み時に登録します。海外のATMでも日本と同じように、現金を引き出すことができます。

渡航前に外貨預金口座を事前に開設し入金しておき、その口座のデビットを使えば、外貨口座から引き落とされることになるため、為替手数料を省くことができます。その点ではクレジットカードよりお得感があるかなと。また、どうしても現地で現金が必要なときには、その外貨預金に入っているお金から現地通貨で引き出すことができます。この2点は便利ですね。

日本のクレジットカードを使うと、レジで使うたびに為替手数料が発生します。また、クレジットカードでキャッシング機能を使ってATMでお金を引き出すと、金利や利息がかかってくるので注意が必要です。

ところで為替手数料とは??

ドル建て(もしくは違う外貨でも同じ)のものを円貨に変換するときに発生する手数料。

ドル建てのカードを持っていれば、ドルで購入したときに円貨に替える必要がないので、為替手数料が発生しませんよね。つまり外貨預金を開設し、そこに紐づいたドル建てのカードを作れば為替手数料がかかりません。(ただし一番最初に円貨口座から外貨口座に資金を移動するときは、為替手数料が発生します。)

日本で作るクレジットカードは円口座に紐づいているので、海外で使用するときには為替手数料がかかってきます。

ところでアメリカのATMはどんな感じ?

アメリカでは、銀行のATMと日本のコンビニにあるようなお店に置いてあるようなATMがあります。銀行のATMは、自分が持ってるカードと同じ銀行であれば引き出すときに手数料がかかりませんが、ほかの銀行からだと手数料がかかります。このあたりは日本と同じ考えですね。

お店のATMは「Master・Visa・Citi・Plus」など、さまざまなカードを使うことができます。使用できるロゴがATMに貼られてます。どのATMでも引き出しのときに手数料がかかります。

ただ、日本のデビットカードを使ってアメリカのATMで頻繁に引き出すことは、あまりおすすめしません。なぜなら引き出しのときに、手数料がちょこちょこかかってくるからです。

ATMの手数料

ATMには3つの手数料があります。

  1. ATMオーナーへの手数料
  2. アメリカでかかる費用

  3. カード会社の手数料
  4. 為替手数料

ややこしいですね。3つも加えられると、ちょこちょこな手数料も安くはありません。トリプルパンチです。とはいえ、日本のカードを使って現地通貨で引き出せると知っておくと、いざ緊急で困ったときに安心ではありますね。

先に説明した外貨銀行口座を日本で開設しそこへ入金して、その口座に紐づいているデビットカードを使えば、3番目の為替手数料を省くことができます。

そこで今回は、外貨口座の開設ができ、外貨口座のデビット機能付きキャッシュカードを提供している銀行をいくつかピックアップしてみます!

海外で使えるデビットカード

ソニー銀行

ソニー銀行

写真出典元:sony bank http://moneykit.net/visitor/sbw/

「外貨預金口座の開設&米ドル入金」をしておく。外貨は自分の円預金から外貨口座に送金します。外貨現金での窓口預け入れの取り扱いはありません。

ソニー銀行はオンラインバンキングからはじまっているため、オンラインの使用感が充実しているのは良いです。特に海外といった離れたところでもチェックできるので安心です。

  • デビット付きキャッシュカード
  • Visa・PLUSのマークのあるATMで引き出し可能
  • 海外事務手数料は引き出し額の1.76%(2019年1月現在)

Sony銀行のHPはこちら

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行

写真出典元:住信SBIネット銀行 https://www.netbk.co.jp/

こちらもソニー銀行と同じように、外貨預金口座開設&米ドル入金ができます。銀行というよりも、投資やFXといった要素が強いような感じです。その点、為替手数料はスポットレートで分かりやすく、手数料もレートに含まれています。

  • デビット付きキャッシュカード
  • 海外でVisa・PLUSマークの付いたATMで引き出し可能
  • 海外事務手数料は引き出し額の2.5%(2019年1月現在)

外貨預金が不足していた場合、自動的に円預金から足りない分が引き落とされるシステムになっているので、レジまできてお金が足りないというとは避けることができそうです。もちろんこの場合は、円預金を開設していて、そこに残高があることが前提になります。また円預金から引き落とされた場合は、為替手数料が発生します。

住信SBIネット銀行HPはこちら

SMBC信託銀行(プレスティア)

SMBC信託銀行

写真出典元:SMBI信託銀行 http://www.smbctb.co.jp/fcy/travel/index.html

SMBCの提供するキャッシュカードには、デビット機能が付いていません。この点が最初の2つの銀行と異なりますが、海外のATMで現地通貨で引き出すことができ、銀行側の手数料は無料となっています。

  • プレスティア外貨キャッシュカード(米国決済専用カード)
  • 外貨普通口座を開設し米ドルを入金
  • Citi・Citibank・Visa・PLUSのマークのついたATMで引き出し可能

以前は、プレスティアゴールドのステータスを保持していると、ATMの引き出し手数料が無料になっていましたが、現在ステータスがなくても手数料が無料になったようです。ただし、アメリカでかかるATMオーナー手数料はかかります。

PRESTIA(SMBC信託銀行)HPはこちら

クレジットとデビットカードどちらがいいか?

海外でカード使う場合、クレジットカードの場合は1回の支払いごとに数パーセントの手数料かかります。数パーセントと言えども塵も積もれば山となるので、どれくらいの頻度で使うのかというのがキーになるかもしれませんね。

外貨のデビットカードの場合は為替手数料が抑えられますが、

「アメリカに頻繁に行く予定がない」
「次の旅行はいつ行くかわからない」

といったことであれば、わざわざ外貨預金を開設してまで作るのは手間がかかり、あまった外貨をあとで「円預金に移すか」それとも「外貨として保持するのか」といったことを考えていかなければなりません。円口座に戻すときには、また為替手数料が発生します。またクレジットのように使えるので便利ですが、ATMで現金を海外で引き出すときに発生する手数料は、思ったほど安くもないことが分かりました。

もともと円預金がソニーやSBIやSMBCにあれば、ついでに外貨預金を開設するのはいいかなとも思います。また頻繁にアメリカに行く人や、外貨預金やFXなどの外貨投資に興味があって、外貨預金を開設してみたいといった人なら、これを機に開設してみるのも便利かなと思います。

まとめ

わたしはもともと外貨預金に興味があったので、「アメリカで外貨建てのデビットカードを使えるなんて、かなり便利になったのでは!」と思ってこの記事を書きはじめました。クレジットカード的な使用感はいいかなと思います。ただ調べてみるとATM利用としては手数料がかかるのと、旅行後の外貨の取り扱いに困るので、必ずしもおすすめということではないように思いました。

外貨預金に興味がない人が、旅行のためにわざわざ外貨口座を開設してデビットカードを作る必要はないかな、というのが個人的な感想です。

旅行後にそのまま外貨を放置しておくか運用するか。

外貨預金や運用に興味がなければ、旅行であれば日本のクレジットカードと現金のコンビネーションが楽かなと思います。海外で長期滞在するということであれば、現地の銀行を開設して現地銀行のカードを作るのが便利かと思います。

海外旅行に行ったら現地での体験だけではなく、ショッピングも楽しみたいですよね! 渡航前のお金の準備のために、今回の記事が少しでもお役にたてれば幸いです❤