英語を使う仕事に就職したら

商社やメーカーなどの海外事業部、またIT業界でも、グローバル化にともない社内で英語を使う必要性が増えてきました。海外の大学に行った人ならともかく、日本の学校で英語を学んだだけだと、実践に役立つ英語がスムーズに出てこないのが現実ではないかと思います。

今回は、英語は学校で学んできたけれど、いまいち英語に自信がない、という人のために、社会人となり実際に英語を使う仕事についたときに、どのように効率よく英語を上達させていくか、書いていきたいと思います。

ちなみに私の大学卒業時の英語レベルは、

  • 英語のリスニングとスピーキングはさっぱり
  • 英語の読み書きはOK(中級レベル?)
  • 英語の電話を取るのは怖い
  • 英検2級
  • ハリーポッターの英語版を読んでみたが、読みづらくて途中でやめた

こんな感じの英語力でした。

昔から、英語を使って海外と関係のある仕事をしたいと思っていました。新卒で運良くメーカーの海外事業部に配属されましたが、まったく英語に自信がありませんでした。その中で、どうやって仕事でつかえる英語力を磨いていくのか、私が学んできたことをふまえながらみていきます。

英語は実践で学ぶ

社会人になり、海外と関係のある部署になったら、どのように英語を上達させていくか。

一番の近道は、実践で学ぶことです。これが一番勉強になりました

新卒で入社すると、最初はメールでのやり取りを通してベーシックなビジネス英語を身につけていきます。業界や職務の環境によってもちろん異なりますが、いきなり一人で全部やっていくというようなことはありません。

必要書類の連絡や簡単な連絡事項を、海外の取引先とメールでやりとりし、段階的に覚えていくことになります。そのうち、慣れてくるにしたがい、英語での交渉や説明など、より細やかなやりとりをおこなっていくようになります。

メールから学ぶ

一番英語にふれる機会が多いのはemail。海外とは時差もあるので(もちろん取引先の場所にもよりますが)、メールでのやりとりがメインになります。入社したばかりでも、簡単なやりとりからはじめていくことが、多いです。

定型文を覚える

まずメールを海外に送るにあたり、どんな文章にしたらいいのか。最初は右も左も分かりません。定型文は先輩に教えてもらいます。調べて工夫して、すばらしい英語のメールを作成する必要はまったくありません。

また取引先との関係により、どのようなカジュアルさでメールを送ったらいいのかといったことは、最初は分かりません。先にいる人に確認しながらメールを送ります。

最初からクリエイティブな文章を作らなくてOKです。日本のメールでもビジネスで使う定型の文章がありますよね。例えば、

~様
~御中
いつもお世話になります。
ご確認頂けますよう、宜しくお願い致します。

など。同じ日本語でも、学生時代には使わない文言。英語もそれと同じように、定型の文言があります。とりあえず先輩の真似をして、最初はコピペで覚えていきます。例えば、

Dear ~
Please find the attached packing lists for our order number XXX
Best regards

など。いつも送る書類や連絡事項など、決まりきったメールに関しては、この定型文を覚えて使い回してしまいましょう。

ポイント
  • 最初はクリエイティブな文章を作らなくてOK
  • 人の文章を真似てコピペ
  • 先輩や上司に定型文を教えてもらいましょう

他の人のメールを熟読する

先輩や上司、取引先(海外)のメールを熟読することを身につけていきます。

最初のステップとして、コピペしながらお決まりメールをこなしているうちに、同じチームの人が海外の取引先に送ったメールが、コピー(cc)であなたのところに入ってくるようになります。またその返信として、取引先からの返信も、あなたのメールボックスに入ってきます。

ほかの人が送った英語のメールをしっかり読んで、理解していくのがポイント。

「こんな使い回しができるんだ」とか、「こういう風に言ったらいいんだ」といったことが、たくさん出てきます。

私の直近の上司は、アメリカの大学を卒業してたこともあり、彼のメールでの文章はとてもためになりました。英語が素晴らしいだけではなく、英語のプレゼンの仕方が、すんなりと頭に入ってくる文章だったんです。相手に伝わる文章力でした。彼はもちろん、上司からの評価も高かったです。

文章はまずは結論から。そしてそのあと明確な説明を。

かなり長い文章を読まなくてはいけないときもあると思います。忙しくて、ほかの人のccメールを読む時間が限られてきても、手があいた時にしっかり読んで理解していくことが重要。あとあと、必ずあなたの英語メールの書きかたに、大きく影響してきます。

毎日の積み重ねが、必ずあとで役に立つはずです

ccメールは、自分に直接関係していないことも多いかもしれません。しかし英語を学ぶだけではなく、仕事を理解していく上での専門用語や、言葉の言い回しを覚え、今チームでなにが起こっているかを知る重要なポイントが、たくさん詰まってます。

そして、あなたが海外の取引先に実際に説明したり、交渉するような文章を作る機会がでてきたら、また言い回しを真似してみます。

この繰り返しです。毎日毎日コツコツと。でも確実に身についていくはずです。まったく関係のない英語の勉強をするより、英語を使っている職場にいるのならば、身近なところですぐに使える英語を学ぶほうがいいです。

入社前に、すでにビジネス英語を学んだ人もいるかもしれませんね。ただ実践の場となると、業界や相手との立場、国によって英語の使い回しも変わってくるので、学んだことだけにこだわらず、先にいた人を見習いながら、実践を大切にしていくといいのでは、と思います。

email

英語はあくまでもツール

英語はあくまでもツール。今まで書いてきたことと矛盾しているかもしませんが、あくまでもコミュニケーションの一つ。英語を学び上達していくことはとても重要ですが、それと同時に「伝えかた」を養っていくことも大切になってきます。

細かい部分を説明するにも、交渉していくにも、相手にどうしたら上手く伝わるのかを考える。分かりやすく失礼のないように、かといってひどく距離感を感じさせるほど丁寧にならないように。

これは入社したときだけではなく、働きながらずっと勉強していくものだと思ってます。

ポイント
  • まず英語で相手に伝えることができるようになる。文法は細かいところまであまり気にしない
  • 慣れてレベルアップしてきたら、上手に説明したり相手を説得できるような文章力を学んでいく
  • ついでに英語の文章力だけではなく、人間力も磨いていく

英語のスピーキング

英語での電話はリスニング力がないとまず聞き取れないですし、メールと違って即答しなければいけないので、慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。

私はスピーキングとリスニングが本当にダメだったで、最初はスカイプ英会話を受けたり、外国人の集まりそうなイベントを探したりと、仕事以外の場であれこれやってみました。ただ私のあとに入った後輩は、たどたどしいながらも最初からじゃんじゃん海外に電話をしていました。

すごいなと思いました。電話もメールと同じく「実践で積む」ほうがいいです。

取りあえず話してみるといったポジティブな思考が必要ですよね。私は「話したい」という気持ちとは裏腹に「聞き取れないので重要なことを見逃したら怖い」といった恐怖感がありました。

これは思い切りと、インプットとアウトプットを磨いていくしかありません。メールで学んだことを会話でアウトプットしていく。話した会話がちゃんと理解できているのか不安なうちは、電話で話したあとにメールを送り、電話で話したことが相手と一致してるかどうか、再確認するといいです。

英語のメールや電話の内容を磨くのは人間力

ある程度の英語のベースができてくると、文章力を磨いていく作業が次第に必要になってきます。英語であれ日本語であれ、同じことがいえると思います。

文章力って論理的に伝える、とか形式的なこともありますが、つまりは人間力なんじゃないかと。

例えば相手がお客さんで怒っている人がいるとき、どうやって受け止めて対処していくか。保守的になって自分を守ろうと反応してしまう人もいます。逆に、相手の立場にたって物事をできるところから対処していける人もいます。どちらがいいかは明らかですよね。

こういったことを対処していけるようになるには、日々の気づきと練習が必要です。
これは人生をかけて仕事を通して学びながら、磨いていくものかと思います。

ビジネス英語を学びたい人へ

私もビジネス英語のクラスを受けていたことがあります。ただ、自分が何かの職について、実際にその英語を使えるときでないと、覚えたことを練習して発揮する機会がなく、あまりためになりません。

ビジネス英語は「今まさにそのビジネスの中にいる人」にとっては、仕事で学んだことを並行して伸ばしていくことができます。つまりインプットアウトプットが同時にできてこそ、ビジネス英語はためになると思います。

前の記事では、ビジネスのための英語を専門にしたサイト「HiNative Trek」で英語学習体験をしてみました。詳細はこちらの記事へ。

まとめ

英語は職場の実践で磨いていくのが一番! 最初から工夫しなくて良し。とりあえず「上の人」と「横の人」をみて、毎日コツコツ学んでいきましょう❤