学生ビザ第二ステップ
前回の記事では、学生ビザ取得のための第一ステップとして、語学学校の申し込みまでの流れを説明してきました。今回は第二ステップとして「SEVIS費の支払いとI-20の受領」について、書いていきます。学生ビザ取得までのステップを、もう一度こちらの表でおさらいしてみます。
I-20とは?
I-20とは、
- 学生ビザ取得のために必要な証明書
- 留学先の学校が発行し、申請者に原本が送付される
- 留学後もステータスを証明するうえで大切な書類の一つ
正式には、Form I-20(Certificate of Eligibility for Nonimmigrant (F-1) Student Status-For Academic and Language Student)です。長くてピンときませんが、「アメリカで勉強するための学生ビザという身分に適格であるという証明書」という感じになります。
- I-20は受け入れ先の学校と申請者の間でかわされる書類
- I-20は認可された学校(SEVP-certified schools)が発行できる
ちなみにアメリカの移民局関係の書類は、「I-○○(○○の部分は数字が入る)」といったかたちで、表現されます。今回の場合は「20」という数字が入り「I-20」ですね。
第一ステップで語学学校へ申し込みをすると同時に、I-20の発行を語学学校へ依頼します。I-20の発行にあたり必要な書類は、
- パスポートのコピー
- 銀行残高証明書
パスポートの自分の顔写真とパスポート番号が記載されているページ。
自分の口座がある銀行に問い合わせて、入手します。銀行によっては、英文での残高証明書を発行してくれます。窓口に通帳(もしくはキャッシュカード)、印鑑と本人確認が証明ができるものを持参して、証明書を依頼します。手数料はおよそ800円〜1000円ほど。発行までに約1週間〜10日かかります。
銀行残高証明書は、留学生活中に資金が不足することなく生活できるかという証明として必要になります。大使館での面接のときにも必要な書類のうちの一つです。
アメリカでは、基本的に学生ビザでの労働は認められていません。銀行残高の目安として、1年留学する場合でおよそ200万円の残高が必要ともいわれています。決まった額はありませんが、あまり少ない残高だとビザが却下される場合もあるので、なるべく多めの資金を銀行の口座に入れておく必要があります。
I-20の必要書類を学校へ送付
パスポートのコピーと銀行残高証明書がそろったら、スキャンしてemailで学校側に送付します。学校側からほかにも必要な書類をリクエストされたら、その指示にしたがいます。分からないことがでてきたら学校側に問い合わせましょう。
I-20の発行にあたり、発行手数料と国際メール便の費用がかかります。第一ステップでのコース申し込み時にすでに支払いが完了していれば、このとき新たに請求されることはないはずです。
I-20を学校側が作成
学校は、あなたから情報を受け取ったら、Form I-20を作成します。発行が終わると、申請者(留学生)のもとに、学校の受け入れ許可とI-20のコピーがemailで届きます。I-20を入手したら、自分の情報にスペルミスがないかどうかチェックしましょう。I-20はビザ面接のとき、そして入国のときにも重要な書類の一つなので、間違いがないか目を光らせてチェックします。
そのあと、国際メール便(Fedexなど)で、学校側から原本が送付されてきます。発送が完了したら、およそ4〜7日で到着します。
I-20のサンプルはこちら
I-20はこんな感じの書類です。重要なところを赤でコメントしています。
I-20のほそく
SEVISナンバー
SEVP(認可された学校)により運営されてるシステムは、SEVIS(Student and Exchange Visitor Information System)と呼ばれます。そしてSEVIS ID numberというものが、ひとりひとりに与えられます。I-20サンプルの左上の方にSEVIS ID numberが記載されています。SEVISナンバーを聞かれたら、ここに記載されている、ということだけ覚えておきましょう。
I-20のフォーマットの変更
2016年にI-20の書式が、新しいものになりました。2017年現在、すべてこちらの書式で統一されています。
I-20はとても大事な書類
I-20は「学生ビザ取得のために必要」なだけではなく、渡米したときにもステータスを維持する証明として、とても重要な書類となります。「ステータスを維持する」とは、学生という身分を維持する、つまり米国に違法なく滞在していることを証明するということです。
学生ビザは、多くの場合「5年間有効」として発行されますが、仮になんらかの事情で学生生活が長くなり、学生ビザの有効期限が切れた場合でも、I-20を正しく維持していれば違法滞在にはなりません。また、渡米後にちがう学校に転校したい、といったことが出てくるかもしれません。I-20は学校が発行しているものなので、転校にしたがいI-20の発行元を変更する必要性がでてきます。
よって、I-20のコピーを入手したら、あなたの名前などすべての情報にスペルミスといった間違いがないかどうか確認します。出国や入国のときにも使うので、名前がパスポートと同じでなければなりません。
I-20は渡米後もとても大切な書類となるので、常に大切に保管しておくようにしましょう。
まとめ
I-20はビザ取得のときだけではなく、渡米後にも重要な書類の一つ。
I-20の発行手続きは、留学先の学校が作成。あなたは基本情報と必要書類だけ連絡すればOKです。
第一ステップから第二ステップまでのポイント
学校を決める ➔ 申込金と授業料の支払い ➔ 必要情報と必要書類の送付 ➔ I-20の発行 ➔ I-20原本の受領 ➔ 内容を確認
I-20の受け取りが終了したら、次はSEVIS費の支払いに進みます。