暑く乾燥した季節になると、カリフォルニアでは毎年のように山火事(Wild Fire)が発生します。今回(2017年)の北カリフォルニアで起こっている山火事は過去最高ともいわれ、10月16日現在で41人の死亡が確認されました。山火事は現在では消防の監視下の元に、広範囲において制御されつつありますが、まだ燃え続けています。
東京都23区以上の面積が焼失
5500以上もの家屋がなくなり、10万人以上もの人が避難生活を送り、20万エーカー(約809km²)もの土地が燃えています。東京23区の面積がおよそ627km²なので、23区を燃え尽くしてしまったことになります。東京ドームでいうと約1万6666個もの広さに値します。
ワイナリーやスヌーピーの作者が晩年過ごした家も焼失
今回大きな山火事となっているのは、サンフランシスコ市内の北に位置する、サンタローザ・ナパ・ソノマ・カリストーガと呼ばれる地域。このあたりはカリフォルニアワインの産地として有名ですが、残念ながらいくつかのワイナリーも、今回の火事で燃えてしまったようです。ぶどうの収穫はちょうど終わりに近い時期でしたが、2017年ラベルのカリフォルニアワインにも大きな影響を及ぼすことが推測されています。
ダウンタウンまで火は回っていませんが、サンタローザにはスヌーピーの生みの親であるチャールズ・M・シュルツ氏が執筆活動を続けていた場所、「シュルツミュージアム」があります。このミュージアムのすぐそばまで火が襲いかかり、ミュージアムはまだ残っていますが、シュルツ氏の晩年暮した家は燃えてしまいました。早く鎮火されることを祈るばかりです。
赤く広がった場所が燃えている地域。地図の下がサンフランシスコです。
参考:CALFIRE
サンフランシスコ市内の空気にも影響
山火事が発生した次の朝、サンフランシスコ市内でも朝方に燃えたような臭いがして、目が覚めました。アパートが火事になったのではないかと思ったほど。何もないことを確認して、ニュースをみてようやくサンフランシスコの北側で山火事が発生していることを知るのでした。
サンフランシスコ市内からナパまでは車で約1時間ほど、距離にして50kmはありますが風向きの影響などにより、数日間は燃えたようなにおいと、スモークが市内を覆っていました。
火の勢いはこんなにも強いんだと、驚くばかりです。
気温や湿度、風向きや強さなどすべての状況がそろうと、火の回りが想像以上に速くなるようです。
写真は10月14日のサンフランシスコ市内の夕焼け。空気が悪いと夕焼けが紫やピンクになるそうです。まさにこの晩はピンクの夕焼けなのでした。
亡くなった方々のご冥福をお祈りするとともに、早く鎮火することを願うばかりです。